緊張型頭痛とは?首・肩こりで頭が痛くなる理由と対処法

「頭がギューッと締め付けられる」

「後頭部が重い」

「肩がこると頭まで痛くなる」

「ロキソニンを飲むと楽になるけど、また痛くなる」

そんな頭痛に悩んでいませんか?

もしかすると、その頭痛は「緊張型頭痛」かもしれません。

緊張型頭痛は、頭痛の中でもよくみられるタイプの一つです。

片頭痛のように「ズキズキ」と脈打つような痛みよりも、

「頭を両側からギューッと押されている」

「重いヘルメットをかぶっている」

「頭全体が重い」

といった感じ方をすることが多いのが特徴です。

そして、この頭痛を考えるうえで、とても重要なのが「首や肩の緊張」です。

では、なぜ肩がこると頭まで痛くなるのでしょうか?

そして、なぜロキソニンやイブを飲むと痛みが楽になるのでしょうか?

この記事では、できるだけ難しい言葉を使わずに、その仕組みを解説していきます。


目次

緊張型頭痛は「ギューッ」と締め付けられるような頭痛

緊張型頭痛では、次のような症状がみられます。

・頭を締め付けられるように痛い

・頭全体が重い

・後頭部が重い

・首や肩がこっている

・夕方になると頭痛が出やすい

・パソコン作業の後に頭痛が出る

・同じ姿勢を長時間続けると頭痛がする

・疲れると頭痛が起こる

一般的には、片頭痛のような「ズキズキする拍動性の痛み」よりも、圧迫感や締め付け感が特徴です。

また、片頭痛では身体を動かすと痛みが強くなりやすいのに対して、緊張型頭痛では普段の身体活動によって痛みが大きく悪化しにくいことも特徴です。

ただし、頭痛には個人差があり、症状が重なることもあります。


なぜ肩がこると頭まで痛くなるの?

ここが一番の疑問ですよね。

「肩がこっているだけなのに、どうして頭が痛くなるの?」

実は、首や肩と頭は、神経を通して深くつながっています。

例えば、長時間パソコンを使っているとしましょう。

画面を見るために、頭が少し前に出る。

すると、首や肩の筋肉が頭を支えるために頑張り続けます。

最初は何ともありません。

でも、それが何時間も続くとどうでしょう?

筋肉はずっと働きっぱなしです。

イメージすると、

「一日中、重い荷物を持ち続けている」

ようなものです。

当然、筋肉は疲れてきます。


筋肉が頑張り続けると「酸欠」のような状態になる

筋肉が長時間ギュッと縮んだままだと、その部分の血液が流れにくくなることがあります。

血液は、筋肉に酸素や栄養を届け、いらなくなった物質を運び出す役割があります。

ところが筋肉が強く緊張していると、

血液が巡りにくい

酸素が届きにくい

いらなくなった物質も流れにくい

筋肉や周囲の組織が「つらい」と感じる

という状態になりやすくなります。

ここでは難しい言葉を使わずに、「酸欠のような状態」と考えてみましょう。

もちろん、身体全体が本当に酸素不足になるわけではありません。

「その部分の筋肉が、酸素を受け取りにくい環境になっている」

というイメージです。

そして、このような局所的な循環や代謝環境の変化は、痛みを起こす一つの要因になると考えられています。


筋肉がつらくなると、なぜ頭が痛くなるの?

筋肉や周囲の組織に負担がかかると、身体の中では痛みに関係するさまざまな反応が起こります。

その中でも、よく知られているのが「プロスタグランジン」です。

プロスタグランジンは、身体の中で痛みや炎症などに関わる物質です。

つまり、

首・肩に負担がかかる

筋肉や周囲の組織に負担がたまる

痛みに関係する反応が起こる

痛みの信号が神経を通って脳に伝わる

「頭が痛い」と感じる

という流れが考えられます。

ここで大切なのは、

「頭が痛いから、頭だけに問題があるとは限らない」

ということです。

首や肩からの刺激が、頭痛として感じられることがあるのです。


だからロキソニンやイブが効く

ここで、

「じゃあ、なぜロキソニンを飲むと頭痛が楽になるの?」

という疑問が出てきます。

ロキソニンやイブなどのNSAIDsと呼ばれる鎮痛薬には、痛みや炎症に関係するプロスタグランジンが作られるのを抑える働きがあります。

イメージとしては、

「痛みを起こす工場の動きを一時的に弱める」

ようなものです。

そのため、

痛みを起こす反応

プロスタグランジンなどが関係

NSAIDsがその産生を抑える

痛みが楽になる

ということが起こります。

つまり、

「ロキソニンが効く」

ということは、その痛みに関係する仕組みの一部を薬が抑えているということです。

これは、つらい頭痛を乗り切るための大切な治療方法の一つです。


でも、薬が効いた=原因がなくなった、ではありません

ここは非常に大切です。

ロキソニンを飲んで頭痛が楽になったとします。

「治った!」

と思いますよね。

でも、

パソコン作業で首や肩に負担がかかっている

姿勢が崩れている

身体に力が入りっぱなし

睡眠不足

疲労がたまっている

という状態がそのままだったらどうでしょう?

翌日、また同じ負担がかかります。

すると、

首・肩に負担

筋肉が緊張

痛みが起こりやすい状態

頭痛

薬を飲む

一時的に楽になる

また負担がかかる

頭痛

という繰り返しになってしまいます。

薬は「今起きている痛みを抑える」ことにはとても役立ちます。

でも、頭痛を起こしやすくしている生活習慣や身体の状態そのものを変える薬ではありません。

だからこそ、

「痛みを抑えること」と「頭痛が起こりにくい身体をつくること」

は、分けて考える必要があります。


鎮痛薬を使い続けると「薬物乱用頭痛」に注意

ここで、もう一つ知っておいてほしいことがあります。

頭痛が頻繁に起こるからといって、鎮痛薬を何度も使い続けることには注意が必要です。

鎮痛薬などを長期間、頻繁に使っていると、かえって頭痛が慢性化し、「薬物乱用頭痛」と呼ばれる状態につながることがあります。

これは、

「ロキソニンが悪い」

「イブを飲んではいけない」

という話ではありません。

必要なときに適切に薬を使うことは大切です。

問題なのは、

「薬を飲まないと毎日のように頭が痛い」

「頭痛が増えて、薬を飲む回数も増えている」

という状態です。

このような場合は、自己判断で薬だけを増やすのではなく、医療機関に相談することが大切です。

薬で痛みをコントロールしながら、

「なぜこんなに頭痛が起こるのか?」

という原因も一緒に考えていく必要があります。


頭痛が長く続くと「痛みに敏感」になることもある

もう一つ、緊張型頭痛を理解するうえで知っておきたいのが「中枢性感作」です。

ちょっと難しい言葉ですよね。

簡単にいうと、

「痛みのセンサーが敏感になってしまう」

という状態です。

例えば、最初は「首がちょっとこったな」程度だったものが、

首の緊張

痛みの信号

痛みを感じる

また首が緊張

また痛みの信号

ということを何度も繰り返していると、神経のシステムそのものが痛みに敏感になっていくことがあります。

例えるなら、

「音量のつまみが勝手に上がってしまう」

ようなものです。

以前なら「1」の刺激で済んでいたものが、

「同じ刺激なのに、今は3くらい痛く感じる」

という状態です。

これが慢性的な頭痛を考えるうえで、とても重要になります。

だから、

「痛くなったら薬を飲む」

だけではなく、

「そもそも痛みの信号が繰り返し送られない身体にしていく」

という視点も大切なのです。


「片頭痛だったのに、頭痛の感じ方が変わった」女性のケース

ここで、一つのケースを紹介します。

ある女性は、以前から片頭痛に悩んでいました。

天気が崩れると頭がズキズキする。

疲れると頭痛が起こる。

光がまぶしく感じることもある。

そのため、

「私は片頭痛持ちなんだ」

と思っていました。

ところが、ある時期から頭痛の感じ方が変わってきました。

以前のようなズキズキする痛みではありません。

今度は、

「頭を輪ゴムでギューッと締め付けられているような感じ」

になったのです。

さらに話を聞いてみると、

仕事が忙しくなった。

パソコンを使う時間が増えた。

首や肩が以前よりこる。

夕方になると頭が重くなる。

無意識に歯を食いしばっている。

そんな変化もありました。

この場合、

「片頭痛がひどくなった」

とだけ考えるのではなく、

「片頭痛とは別に、首や肩の緊張を背景とした緊張型頭痛の特徴が重なっているのでは?」

という視点も必要になります。


頭痛は「一種類だけ」とは限らない

頭痛というと、

「片頭痛ならズキズキ」

「緊張型頭痛ならギューッ」

と、きれいに分けられるように思います。

でも、実際にはそんなに単純ではありません。

同じ人でも、身体の状態や生活環境が変われば、頭痛の出方が変わることがあります。

以前は片頭痛が中心だった。

でも、仕事が忙しくなって首や肩がこるようになった。

睡眠不足になった。

身体の緊張が抜けなくなった。

すると今度は、締め付けるような頭痛も出てくる。

そんなことも考えられます。

だから頭痛を見るときには、

「これは片頭痛です」

と最初から一つに決めつけるのではなく、

「今、この人の身体に何が起こっているのか?」

を見ることが大切なのです。


では、整体では何をするの?

ここまで読んで、

「じゃあ、整体では何をするの?」

と思った方もいるでしょう。

当院では、頭痛があるからといって、頭だけを見るわけではありません。

まず、

・首

・肩

・背中

・姿勢

・顎

・呼吸

・身体全体の緊張

などを確認します。

なぜなら、

「頭痛が出ている場所」と「負担がかかっている場所」が同じとは限らないからです。

例えば、頭痛が後頭部にあっても、その背景に首の緊張や肩の負担があるかもしれません。


「痛みを取る」だけではなく「酸欠になりにくい身体」を目指す

緊張型頭痛を考えるとき、私が大切にしているのが、

「身体の一部分がずっと頑張り続けていないか?」

ということです。

首や肩の筋肉がずっと緊張している。

同じ姿勢が長く続いている。

呼吸が浅くなっている。

身体全体に力が入りやすい。

こうした状態が続けば、局所の循環や代謝にも負担がかかります。

そこで、

首や肩の緊張をゆるめる。

身体を動かしやすくする。

姿勢を整える。

呼吸をしやすくする。

身体全体の緊張を落とす。

そうすることで、筋肉が必要以上に頑張らなくてもよい状態を目指します。

言い換えるなら、

「酸欠のような状態になりやすい身体から、血液が巡りやすく、筋肉が働きやすい身体へ」

整えていくという考え方です。

![緊張した身体から巡りやすい身体へ]


薬と整体は「どちらか」ではありません

ここは誤解してほしくないところです。

「薬より整体がいい」

という単純な話ではありません。

強い頭痛があるとき、必要に応じて薬を使うことは大切です。

医療機関で適切な治療を受けることも大切です。

そのうえで、

「どうして頭痛を繰り返しているのだろう?」

という部分を身体側から見ていく。

それが整体の役割だと私は考えています。

薬は、今起きている痛みを抑える。

整体や生活習慣の見直しは、痛みが起こりやすい身体の状態を整える。

この二つは対立するものではありません。


こんな緊張型頭痛で悩んでいませんか?

・頭がギューッと締め付けられる

・後頭部が重い

・首や肩がこると頭痛がする

・夕方になると頭が痛くなる

・パソコン作業の後に頭痛がする

・スマートフォンを長時間使うと頭が重くなる

・歯を食いしばる癖がある

・頭痛薬を飲む回数が増えてきた

・片頭痛だと思っていたけれど、最近は締め付けるような頭痛もある

・頭痛を繰り返さない身体をつくりたい

このような方は、一度ご自身の身体の状態を確認してみることをおすすめします。


こんな頭痛は、まず医療機関へ

頭痛の中には、脳や血管などの病気が隠れていることがあります。

次のような場合は、整体よりもまず医療機関への相談を優先してください。

・突然、非常に強い頭痛が起こった

・今まで経験したことのない頭痛

・手足のしびれや麻痺がある

・ろれつが回らない

・意識がおかしい

・高熱を伴う

・頭を打った後から頭痛が続いている

・急に見え方がおかしくなった

・いつもの頭痛とは明らかに違う

「いつもと違う」という感覚は、とても大切です。

無理に我慢せず、医療機関で確認してもらいましょう。


まとめ|緊張型頭痛は「首や肩の状態」と切り離せない

緊張型頭痛は、頭をギューッと締め付けられるような痛みや、頭全体の重さを感じることが多い頭痛です。

その背景には、首や肩への負担、長時間の同じ姿勢、疲労、ストレス、睡眠不足など、さまざまな要因が関係します。

首や肩の筋肉に負担がかかり続けると、局所の循環や代謝環境が悪くなり、痛みを起こしやすい状態になることがあります。

そして、痛みが繰り返されることで、神経が痛みに敏感になる「中枢性感作」が関係することもあります。

ロキソニンやイブなどの鎮痛薬は、痛みを抑えるために大切な選択肢です。

ただし、

「薬が効いた」

ことと、

「頭痛が起こる原因がなくなった」

ことは同じではありません。

だからこそ、

「頭痛が起きたらどうするか」

だけではなく、

「なぜ頭痛が起きやすい身体になっているのか」

を考えることも大切です。

当院では、頭痛のある場所だけを見るのではなく、首・肩・姿勢・呼吸など身体全体の状態を確認し、身体が必要以上に緊張し続けない状態を目指して施術しています。

「頭痛を薬で抑えるだけではなく、身体そのものを見直したい」

そんな方は、一度ご自身の身体の状態を確認してみてください。


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